ドイツで自転車に乗る Part 2  

bicyclewithanoldcouple ドイツ情報

自転車に乗る Part 1の続きです。今回は、私が体験したことや、思ったことをお伝えします。

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自転車警察

bicycleintheforestとても驚いたのが、ドイツには自転車警察がいます。今まで一度だけですが、目撃したことがあります。ちょうど大学の授業が終わった時間だったので、校舎の周りには、たくさんの人がいました。Part1で書いたように、私の住んでいた町は、大学街でコンパクトなので、自転車に乗って移動する人がたくさんいました。徒歩で、5分ほど校舎から移動したところ、突然、私の数メートル先を走っている自転車に乗った男性が、笛(体育の授業で先生が吹くものです!)を吹いて、反対車線に向かって叫んだのです!周囲の人は、あまりの衝撃的な出来事にビックリ。反対側車線には、本来右側通行のところを逆走している自転車が一台がいました。どうやら、笛を吹いた男性は、警官のようで、この逆走自転車の青年に止まるように指示していたのです。笛を吹くという行為が私にはなんだかおかしくて、見入ってしまいました。さらに面白かったのが、この逆走自転車の青年は、警察をとらえた瞬間、ものすごい勢いで逃げていきました。青年は、ちょっとそこのコンビニまで自転車でというよりか、マウンテンバイクにヘルメットもしっかり被っていたので、体力には自信がありそうでした。しかし、自転車警察も負けません!彼もその上をいくスピードで、この逆走自転車を追いかけていきました。警官も、とってもスポーティーだったので、逃げるのは簡単ではなさそうです。自転車警察も自転車に乗って、一般市民に溶け込むようにして、巡回していることに驚きました。そしてとても古典的でしたが、笛を吹いて本人に注意をするアイディアは、斬新的ですよね。

文化の違い

これは文化の違いだな、と思ったことがあります。朝早い時間に、田舎道を自転車で下っていたところ、犬の散歩をしているドイツ人のおじさんがいました。坂道なので、それなりの速さがでますが、おじさんを避けるようにスピードを落として通り過ぎようとしたところ、「ベルならさないといけんよ!」と、一瞬で通り過ぎる私に向かって叫んできたのです!しかし同時に、はっと気が付きました。思い返してみれば、田舎道を散歩しているときに、チャリンっと、遠くからくる自転車が警告のように鳴らしてくれます。そして、脇を通るときには、「Danke!ありがとう!」と言い、爽快に走り抜けていくことが頻繁にありました。そうです。日本では、自転車のベルはなるべくならさないように心遣いをし、(なんだか鳴らすのは、申し訳ない気持ちになるのは、私だけでしょうか?)邪魔にならないように、気を付けて追いこす。という感じですが、ドイツはこの真逆です。自転車がベルを鳴らすことで、歩行者に警告し、お互いの身を守っている。ということをこの時感じました。今までこんな考えを巡らせたことは無かったですが、立場が変われば、当たり前ですが、見方も変わりますよね。この夏は、目的もなく、ただただ自転車に乗ることを楽しんでいました。特に車の通らない田舎道や小川の脇のサイクリングロード、トウモロコシ畑の道をドイツ人のようにひたすら駆け抜けていました。そうすると、時間や曜日によっては、幼稚園児のお散歩や、リタイアした人たちの趣味の集団、ノルディックウォーキングをしている人、家族やカップル、友達と散歩をしている人とすれ違うことがありました。私は、それ以来、道の広がっている人たちがいたら、50メートルほど前からベルを鳴らすようにしました。すると、意外に皆嫌な顔をせず端に避けてくれるのです。最後に「Danke!ありがとう!」と言って過ぎれば、お互いに気持ちが良いですよね。

ドイツ人にとってのルール

bicyclewithatree決められたルールを守るのがドイツ人の性格の一つですが、こんな出来事もありました。少し薄暗くなってきた時に、いつもの田舎道を自転車に乗っていました。ドイツの田舎道は、外灯が全く無いので、(同じく高速道路もです!)本当に真っ暗なんです。なので、自転車のライトだけが頼りです。たまに自転車のライトをつけていない人もいるので、夜は少し注意して自転車に乗っています。ここでも、右側通行を意識して、自転車を漕いでいたところ、なんと、向かい側からゆっくりと、本当にゆっくりとですが、私に向かって走ってくる自転車がいました。つまり、相手は右側通行を守っておらず、私にとっては相手が逆走してきているという状態です。私のライトは、しっかりと点いているので、相手が気がついていないはずがないと思いました。ですが、全く避けてくれす、不思議だなと思っていました。その状態のまま、本当にだんだんとお互いに近づいてきたのですが、相手は一向に右側に避けてくれません。不思議な感じのまま、私が左側に避けて、その自転車の人を追い越したところ、「Danke!ありがとう!」と言われたのです。なんだか、ほっこりしました。暗闇の中目を凝らして見ると、飼い主の女性が自転車に乗って、犬をつれていたのです。どうやら犬がその付近を気に入ってしまい、飼い主さんは、正しい右側通行に戻れずに、そこをゆっくり自転車に乗っていたのでした。このような、例外の状況が生まれて、この女性は私に感謝の言葉を言ってくれたのだと思います。思いがけない瞬間に、「Danke!ありがとう」と言われると、なんだか幸せな気持ちになりますよね。

最後に

この夏、自転車に乗ってみよう!と思って、サイクリングに出ただけなのですが、ドイツ人の新たな一面を発見することができました。何年ドイツにいても、ドイツ語ができるようになっても、まだまだ文化や考え方に関して、新しい発見はあるものですね。よく、ドイツ人の文化に馴染むなら、地元のクラブ(サッカークラブや卓球クラブなど)に加入するとが良いと言われていますが、その意味を肌で改めて感じた2020年の夏でした。